宇垣美里×SilverX 中島大志 | シニアの経験にAIの実行力を掛け合わせる。進化し続けるAI時代に求められる「人」の価値

宇垣美里さんが、スタートアップで働く人や、新たな挑戦に踏み出すビジネスパーソンの仕事観に迫る本連載。今回のゲストは、株式会社SilverX 代表取締役CEOの中島大志さんです。
全4回でお届けする対談の最終回では、SilverXが目指すこれからの組織と社会に焦点を当てます。シニアの経験にAIの実行力を掛け合わせる人材の価値や、過去に直面した組織の壁を乗り越え、たどり着いた「仲間をもっとも大切にする」という組織のあり方とは。さらに、「AI人材といえばSilverX」と呼ばれる未来や、挑戦者の背中を押し続けたいという思いについて、中島さんに伺いました。
プロフィール
話し手
中島大志(株式会社SilverX, 代表取締役CEO)
聞き手
宇垣美里
シニアの経験にAIの実行力を掛け合わせる。進化し続けるAI時代に求められる「人」の価値
宇垣さん:前回は、シニアの課題をどのように解決できるかを考えた先に、AIがあるというお話を伺いました。藤澤さんのAIに関する知見は、今回のシニア人材領域の事業にどのような価値をもたらすのでしょうか?
中島さん:現時点で藤澤がどれほどAIの知見を持っているかよりも、常に最新の情報をキャッチアップし続けることがめちゃくちゃ重要だと思っています。AIは1年前と今とでもまったく違いますし、今後も進化し続けるからです。藤澤自身もAIにすごく興味を持っていますしね。
僕らがAI人材事業を手がけている理由も、そこに行き着きます。AIのプロダクトや関連サービスを作っても、ChatGPTやClaudeなどが進化すれば、「そのサービスはいらないよね」となりかねません。でも、「人」自体が必要なくなることはないと思っています。
新しい技術をきちんとキャッチアップし続けられる人は、これからも必要とされます。だからこそ、僕らは人材領域に取り組んでいるんです。
宇垣さん:AIが発達するほど人間の仕事は少なくなり、結果として仕事を失う人も増えていくという考え方もあります。AIの進化とシニアの仕事は、今後どのようにつながっていくと思われますか?
中島さん:これからの時代、もうAIを使わないという選択肢はないのかなと思います。先ほど宇垣さんもおっしゃっていましたが、やっぱりシニアの強みは「経験」や「知見」だと思うんですよね。
宇垣さん:それは得がたいものですからね。
中島さん:だからこそ、シニアの経験や知見にAIを掛け合わせます。AIって、やっぱり「実行力」なんですよ。最近ではChatGPTに相談できるだけでなく、Claudeが登場してからはメディアを作るなど、AIが実装まで担うようになってきました。
たとえば、シニアの方がExcelを使えなかったとしても、AIを活用すれば実行力を補えます。労働力を補う必要はどうしてもあるので、AIによってシニアの仕事のあり方も大きく変わっていくのかなと思いますね。
宇垣さん:お話を伺っていて、そこはすごく大事なことなのだと思いました。
代表にすべてを集約せず、各メンバーに役割と責任を。過去の壁から学んだ、仲間をもっとも大切にする組織の形
宇垣さん:VOLLECT時代に組織の壁にぶつかった経験を踏まえ、SilverXではどのようなチームを作っていきたいとお考えですか?

中島さん:各メンバーに、それぞれのミッションをきちんと持ってもらいたいと考えています。代表である僕にすべてを集約するのではなく、一人ひとりに役割と責任を任せる組織ですね。
たとえば、AI領域なら藤澤専之介、法人営業なら別のメンバーというように、「この領域は彼が一番わかっている」と言える状態を作りたいんです。
VOLLECTでは、そうした役割分担ができていなかった頃、会社が沈みそうになりました。一方、メンバーを信頼してマネジメントを任せられるようになってからは、業績も右肩上がりになったんです。その経験が、現在のSilverXの組織方針につながっています。
宇垣さん:企業の成長を強く意識されていると思いますが、SilverXが目指す規模について、目標は決めていらっしゃいますか?
中島さん:現時点で目標とする規模感は明確には決めていません。ただ、私も藤澤もM&Aを通じて、次は100年後も続くような企業にしたいと思っています。SilveXがあったからこそ豊かな生活を送れている人がいるような世界を作りたいと思っています。
宇垣さん:「仲間」という言葉を繰り返し口にされていたのは、一緒に働く人との関係性や、同じ景色を見ることを大切にされているからでしょうか?
中島さん:そこは、とにかく一番大事にしたいですね。なんか子供みたいですけど、仲間を一番大切にしたいんです。
もちろん、企業の成長と両立させなければいけません。ただ、両立が難しくなったときには、仲間を大事にする価値観を優先します。日本では人手不足に直面する企業も多いので、人を大切にする会社であることが、今後の競争優位性につながるのではないかとも考えています。
この価値観を軸に、仲間を大切にしながら会社としてもしっかり成長していく。それを実現したいと思います。
宇垣さん:結局、自分を大切にしてくれる環境でなければ、人は輝けないのだと思います。
「年齢の壁を壊す」といえばSilverXへ。挑戦者の背中を押す存在を目指して
宇垣さん:今後、SilverXを世の中でどのような存在に育てていきたいとお考えですか?
中島さん:まずは、「シニア×AIで、年齢の壁を壊すといえばSilverX」と言われる存在にしたいですね。今後1〜2年で、長く第一線で経験を積んできた方々に、「もう一度挑戦するなら、まずSilverXに相談したい」と思ってもらえるようなチャネルやメディアをつくっていきます。そうした接点を通じて、「年齢を理由に諦めなくていいと思わせてくれるのがSilverXだよね」と言われる状況をつくりたいんです。

宇垣さん:中島さんは連続起業家でもいら将来的には、「年齢」という区切りそのものを、人の可能性を測る物差しから外したいと考えています。シニアはその象徴ですが、僕らが本当に実現したいのは、すべての人が年齢を理由に諦めなくていい社会です。
っしゃいますが、生涯を通じて成し遂げたいビジョンはありますか?
中島さん:すごく普通のことかもしれませんが、挑戦者を増やすことです。
僕自身、もともとは何者でもないところからスタートしましたが、何度か起業を経験し、さまざまな仲間を集めることができました。今、「すごくいい人生だな」と思えているのは、一番最初に勇気を持って挑戦したからこそだと感じています。
だからこそ、生涯を通じて挑戦する方々を後押ししていきたいんです。「中島さんに言われたから挑戦しました」と言ってもらえるくらい、人の背中を押せる魅力的な人間でありたいと思っています。
宇垣さん:お話を伺っていて、社員の方や関わる人材など、人を本当に大切にされていることが伝わってきました。人材を扱う会社だからこそという面もあると思いますが、そうした目線を持つ中島さんが進めることならと、心を動かされる人も多いのではないかと感じました。ありがとうございました。
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